久しぶりに、首が回るようになりました Mさん78歳女性

症例報告

農家です。あちこち小さな痛みはありましたが、何とか仕事をこなしていました。
2週間ほど前、猪除けの電線を跨ごうとして、引っかかってしまい、床に転んでしまいました。その時、右の手の平を強く打ち付けてしまいました。

だいぶ腫れは引いたのですが、まだ動かすと痛みがあって、不自由です。朝方はいいのですが、家事や畑仕事をしているうちに、痛みがぶり返してきて、億劫です。


Mさんご夫妻は、N県の農家。
奥さまは、昭和16年夏、台湾のお生まれ、敗戦とともに、ご家族で長野の山村に引きあげ、同じく大連から引きあげてこられたご主人と知り合い、戦後の開拓村に入られました。その後、ご両親の跡を継ぎ、今でも畑作を中心に、一年中多種の野菜を作っていらっしゃいます。

私は、Mさんの路面店で野菜を求めていたのですが、そのうち、お会いすると畑の作業についていろいろお話を伺うようになりました。
このときは、ちょうど山芋の収穫の季節で、機械を使った作業を拝見していると、奥さまが手を不自由にされていて、上記のような事情でいらっしゃいました。

さすがに屋外で施術は無理なので、ご自宅に伺い、持ち合わせの道具で施術させていただきました。

レントゲン診察を受けていらっしゃらない、とのことでしたので、ぜひとお申しあげ、身体を拝見すると、頚や肩回りにも強い張りがあります。長年のご苦労が、ここにこびりついている感じです。

こういうとき、主訴の軽減はもちろんですが、身体の総合的な不快を軽減することが、体調改善に大きな効果があるので、これらをほぐす施術を行います。

手の腫れについては、灸と鍼を組み合わせて、施術をします。鍼もいいのですが、灸がとても効果的です。

ご自宅の食堂で、旅行時持ち合わせの道具だけの施術でしたので、たいへん不十分なものでしたが、奥さまの笑顔を拝見すると、とてもうれしい気持ちになりました。ご主人も、手首が痛むとおっしゃっていたのですが、「鍼は怖い」とのことでしたので、いずれまたに。

お礼にと、たくさんの野菜をいただきました。どれも、とってもおいしかったです。

※ 写真は、うちのネコ「こむぎ」です。