「鍼から帰ってきた夫を見ると、姿勢がよくなっているのです」

身体へのヒント

ご夫婦で来院いただいている奥様から、そうお話を伺いました。ご帰宅されると、特に意識していいらっしゃらなくとも、立ち居がまったく違ってみえるとのことです。

お二人とも、とってもストレスがかかるお仕事をなさっておいでで、しかも子育て中。人生で一番ストレスのかかるステージにいらっしゃるのかもしれません。

特に基礎疾患をお持ちというわけではないので、頭部、頸部、肩部から、腕、腰と、筋肉を緩める目的で、鍼を刺します。臀部では150mmのものを、頭部では15mmのものを。このご夫婦の場合、合計60~80本刺すことになります。

ツボを使って身体全体の調和を図る、というような観点からではなく、老廃棄物を排出できないほど活動が低調な筋肉を活性化する、という観点なので、必然的に本数も増えてしまいます。

この筋肉の萎縮、一般的には「こり」と呼ばれるもののために、体位が縮こまってしまい、結果的に姿勢が悪くなるわけです。

これは、病気の治療、というよりは、激しい疲れを緩解する、というような観点での施術です。もちろん、この疲労状態をそのままにしておかれると、病的な状態へ悪化する可能性が高まります。