指から血を出すので、痒みが引くなんてびっくりです Dさん35歳女性

症例報告

このところしばらく、ふくらはぎのある部分がとても痒く、保湿クリームを塗ったり、ヒルドイド軟膏を塗ったりしたのですが、効果がありません。

仕事のことでイライラすることが多く、掻いてしまいたいのですが、いったん掻き始めると、とめどがないこともわかっているので、イライラが募ります。

で、先生にそのことをいうと、足の小指の爪の脇から少し血を絞りました。そのときはズキズキしたのですが、次の日から今日まで痒みがありません。不思議です。


Dさんは作家さんで、ご自分の仕事がお忙しいうえに、他社の仕事の監修もなさっています。一度、激しい肩甲部痛を拝見し、それ以降、体調管理のために、受診いただいています。

このときは、ご自身の締め切りと、思い通りにならない質のコントロールに、たいへんストレスをためていらっしゃいました。

痒みは、皮膚科を受診して、処方された適切な薬を塗布すればいいのですが、必ずしもそれで良くなるわけではないようです。

中医学では、痒みは血が熱を帯びた状態と考え、その熱を冷ますために、適切な部位から、ささやかに血を出すという処理を行います。Dさんの場合は、左右の足の指の爪の脇を比較して、場所を決め、1滴ほど血を綿花に絞りました。

ずいぶんとささやかな処置ですが、とっても効果が高く、私自身もアレルギー持ちですので、痒みが強いときには自分でこの処置を行います。指の爪の脇以外にも、耳の上端とかも効果的です。蜂窩織炎などにも効果があります。

もっともこの処置は、痒みを鎮める効果はありますが、その原因に対する対策ではないので、病因にきちんと対処することが重要です。

※ 写真は、うちのネコ「こむぎ」です。ベッドの下に隠れて、向けられたスマホにも興味が。