鍼を刺していないのに、身体の状態がすごく変化します Gさん25歳女性

症例報告

台湾の彼氏の家に遊びに行って食事をしたら、激しく吐いてしまいました。その日からお腹の調子が悪く、日本に戻り、病院に行ったのですが、特に何かのinfection (感染) があるわけではない、と言われました。でもそれ以降、お腹の状態がすぐれず、来院しました。

あと、これとは別に下腹部に痛みがあり、10代からペッサリーを使っていて、これとの関連で不安があります。

Gさんはオーストリア人で、芸術系の大学に留学していらっしゃいました。そのころは不眠などの症状を緩和するために、来院されていたのですが、久しぶりに上記の案件でいらっしゃいました。

私にとってGさんは、とっても印象深い患者さんです。

鍉鍼 (ていしん) という、先が丸まっている(とがっていない)棒状の鍼を使う施術法があります。鍼を、体に刺し入れるというのは、それなりの刺激を与えます。体が弱っていたり、幼児のように身体の感受性が高い人のなかには、この刺激が、ネガティブな効果となってしまうことがあります。

Gさんは当時20歳でいらっしゃいましたが、東洋医学的な意味で、皮膚の感受性がとっても高い方で、通常の鍼では刺激が強すぎるので、鍉鍼を使いました。

それでも、皮膚の発色や、発汗の具合、筋肉の硬さが、短期間に劇的に変化します。何よりご自身が、身体感覚の変化にびっくりしていらっしゃいました。

こういった低刺激の治療を2~3回受けられて、訴えてらっしゃった症状が治まり、ひと月やふた月に一度、調整のために来院される、という感じになりました。

知識としてはあったのですが、大人の方で、こういった高い感受性を持っていらっしゃる方を担当させていただいて、たいへん勉強になりました。

消化器系の不全に関しては、体内で消化・排出に失敗した「食滞」と呼ばれるものがあるようにみえ、これを始末するような施術を加えました。

ペッサリーについても、できたら避けるようにお話ししたところ、夏休みに一時帰国された際、外されたとお話がありました。

※ 写真は、うちのネコ「こむぎ」です