楽器を演奏していると、股関節や太腿も痛み出します Oさん35歳女性

症例報告

三弦を椅子に座って演奏する時間が長いのですが、弦を押さえる左手の指やその腱が痛むのはわかるのですが (これもとっても辛いんですが)、最近は太腿や股関節の痛みが気になるようになりました。正座ではなく、椅子に座っているのに下半身が痛むのが腑に落ちません。

Oさんは、いろいろ椅子をお試しになっていらっしゃるのですが、しっくりくる高さのものがなく、少し高すぎるものを片足をつま先立ちにして、演奏されているようです。たぶん、体幹のバランスを取るために、無意識のうちに、大臀部の筋を微妙に動かし続けていらっしゃるのではないか、と考えました。

大殿筋、大転子の辺りに75mmの長めの鍼を刺します。

「あー確実に痛い気がする、だって押されるだけでもう痛いもん」と。で、実際に刺すと、刺した臀部ではなく、刺激が前 (股間) の方にひびく、へんな感じとおっしゃいます。
15分ほど刺したままにするのですが「股間が痛いっていうのは、こういう感じなのか、わかりました。刺されていると気持ちがよかったです」というご感想でした。

この場合は、身体の深部にある閉鎖筋を緩める意図でした。これが過緊張すると、股間から太腿の内側に痛みや不快感を与えます。

※ 写真は、この例の患者さんではありません。頸肩部の痛みが強い方への施術写真です。鍼は割と多めに、頭部から上部頚椎にかけて刺しています。