階段で膝があまりに楽になって、戻ってきてしまいました Hさん60歳女性

症例報告

朝起きたときや、長時間座っていたりすると、膝や肘、肩がひどく痛みまます。

4ヶ月前に、腰や股関節に痛みがあったのですが、ほっておくとましになったので、そのままにしていました。3ヵ月前の朝、両肩に痛みが走りました。痛みがいつになくひどいものでしたので、O病院の整形外科を受診しました。レントゲン検査を行い、特に異常が見られず、湿布をもらって帰宅しましたが、症状に変化がありません。

最近では、腕を挙げると、肩回りの痛みが強くなってきた気がします。

 

鍼のご経験がないこと、身体の各部に痛みがあること、それが動作がかなわないほどの激痛というわけではないことを配慮し、1~2回目は経絡を重視した全体治療としました。さらに身体の冷えが顕著であったので、灸を多用し、患部を温めるように施術を加えました。

3回目に、鍼治療全般にご理解いただけた様子なので、筋肉・腱をゆるめる施術に移行しました。こちらは部所によっては、多少の刺激痛が発生します。

頸部、上肢、下肢と身体を拝見すると、太腿の内側と鼠径部に、押すと激しい痛みがあります。そこで、ここにある内転筋、腸骨筋を太めの鍼で緩め、膝の皿の上左右の凹みにも鍼を。この状態を30分ほど維持していただきました。

終了後、初めての刺激にびっくりされてお帰りになりましたが、すぐに戻っていらっしゃって「下り階段の歩行があまりに楽なのでびっくりした!」と。膝と股関節の筋肉が緩んで、動作がスムーズになったため、痛みが治まったからだとご説明しました。