1ヶ月くらい前のこと、起床して立ち上がるとき、右の足裏に痛みが走りました。治まる気配がないので、近所の整形外科へ。モートン病と診断され、インソールを使ったのですが改善せず、挙句に「痛みと付き合っていくしかないね」と言われてしまいました。
何とかならないかとHpをみていたら、勤め先の近くにモートン病を扱ったことがある鍼灸院があると知り訪問、お腹と背中に鍼を刺されました。
鍼は痛いというより、くすぐったい感じでした。1時間弱の施術のあと、ベッドから起きて足を床についたら、不思議なことに足の痛みや不快感が弱くなっています。さらに、ずっと気になっていた肩の張りが消えていてびっくりしてしまいました。それにしても、足に刺さないなんて。
モートン病とは、足の第3-4指の間に好発する、しびれ・痛みなどの神経症状が特徴。中腰の作業や、ハイヒールの常用など、つま先立ちをする格好が長時間続くと起こりやすい。
足底にソールを入れるなどの保存的治療で3ヵ月ほど様子を見て、症状が回復しないものでは手術が必要になることもある。(日本整形外科学会のHpより。辻本が抜粋)
私どもの鍼灸院には、整形外科で「保存治療」を指導されて治らず、でも「手術は薦めない」といわれて途方に暮れた患者さんが多く来院されます。
個人的には、モートン病は「病」などと呼ばれるものではなく、鍼灸による効果の高い病症に思えます。
(以下、ちょっと怒っています)
いったい「指が痛い→負担がかからないようにソールを入れる→だめなら手術」というのを「治療」と呼べるのでしょうか。負担がかからないようにするのは、自己治癒力に期待しているのでしょうが、3ヵ月かけても治癒しないのは、自己治癒力が低下しているからで、必要な対策とは、その治癒力を賦活することなのではないでしょうか。またここでいう手術とは、足の神経の切除などを意味するのでしょうが、そのようなことをしたら、以後の生活に大きな影響が出てしまうでしょう。
さて私どもでは、モートン病を最初は「承山」などの下肢のツボを使って施術していたのですが、経験を積むうちに、通常行っている根治 (積聚式) のみで充分改善できることを知りました。
Tさんも不思議がっておられましたが、お腹と背中に鍼をするだけで、足に鍼をすることなく、改善が期待できます。
積聚式は、患者さんの身体のバランスを整えることで、自身の治癒力を向上させ、自力で病症を回復させるというものです。
Tさんの場合、痛みを訴えていらっしゃった足指の部分は (こういう言い方はヘンに聞こえるかもしれませんが) たまたま痛んでいただけで、病因が足指にあるのではなく、足指の支障を自分で回復できない治癒力の弱さが問題だったわけです。
「痛い場所に鍼を刺す」というのは、施術を受けられる側としては、納得しやすいのでしょうが、痛む場所を刺しても、原因はそこにはないので、効果は期待できないのです。痛い場所を刺すというのが鍼灸であるのなら、風邪を治すときにはどこを刺せばいいのでしょうか(´︶`)ノ