左手の薬指が激しく痛み、少し腫れてもいるようです Aさん34歳男性

症例報告

テレビの公開番組とかのバックバンドで、ギターを担当しています。それ以外にも、音楽教室で教師の仕事も。毎日かなりの時間を演奏します。前に一度、腱鞘炎と診断されて、湿布をしたりしたことがあるのですが、今回はちょっと違った種類の痛みに思えて、心配になっています。

Aさんのお仕事、公開番組のバンドマンは、リハーサルを含めると長時間の演奏を強いられる、過酷な肉体労働です。ギターはそれなりの重さがあり、それを肩で釣って、立ち姿勢のまま運指しなければなりません。

指は、腕の外側の伸筋と、内側の屈筋を使って、曲げたり伸ばしたり運動します。これらの筋が疲労してくると、血行不良となり、老廃棄物が排出されなくなり、痛みを発します。また、最近は筋膜の滑走性低下と痛みの関係をいわれます。

さらに指は繊細な感覚を持っています。特にギタリストなど、指を巧妙に操作していらっしゃる方は、感覚神経も人より鋭敏で、普通ならさほどではない痛みにも敏感に反応されます。

また、痛みの感覚は、そのときのメンタルの状態によって、過剰になったり、過小になったりします。

これらを配慮しながら、施術を進めるのですが、最近は首周りにも注目する必要があるようです。

腕や指に到達する神経が、頚椎から出ていて、その出口近くの筋肉が固まっていると、その神経に悪影響を与える可能性が生じます。これは一般的に「頚椎症」と呼ばれ、若年以降の方によくみられる症状です。

ただしAさんのように、不自然な姿勢での長時間労働では、年齢と関係なく、この症状がみられるように思えます。

※ 写真は、うちのネコ「こむぎ」です。クルマで移動するときには、ケージに入れておくのですが、ソフトケージなので、ベロクロテープを押し広げて脱出します。困ります。