発表会の前なのに、腕が挙がらなくなるほど痛み、楽器が演奏できません Oさん32歳女性

症例報告

三味線と琴を生徒さんに教えています。これらの楽器を演奏する時間は、かなりのもの。お稽古は、着物を着て、正座します。もう長年のことですから、これらは苦になりません。ところが、近々一門の連合発表会があり、師匠のお宅に詰めることも多く、そうなると普通のお稽古よりも、激しく緊張します。
ここのところ、肘や手首が痛み、ごまかしながらなんとかやっていたのですが、耐えられなくなって、伺いました。


Oさんは、前腕はもちろん上腕部も筋肉がパンパンに張っていて、これではさぞかしお辛いだろうと思われました。さらに二点、足のむくみと、お腹の張りです。
前者はやはり長時間の連続する正座の影響。後者は緊張に伴う身体の循環性 (東洋医学では「気の疏泄」といいます) の低下が大きな要因になっているようです。

またこのような場合の手首や肘の痛みは、傷む場所を対処するだけでは改善しません。上腕や肩回りと頚も計算に入れなければなりません。

これらの筋肉を緩和したうえで、気のめぐりを復活させるために、肝という臓腑の力を高める処方を加えました。

ちょっとお時間がかかる、体に負担がかかる施術でしたが、翌日には寛解された由。運動習慣でかなり楽になったとのことですが、ここまでひどい状態になると、運動すること自体が裏目になってしまいます。早めにいらっしゃっていただいて、身体の状態を改善してから、運動でメンテナンスされるといいと思います。