首から腰まで、取ってしまいたいほど、だるいです Kさん45歳男性

症例報告

タクシーの運転手をしています。
夜勤明けには、肩の辺り、腰の辺りがとってもだるくて、辛いです。
昔、ぎっくり腰になったことがあって、身体の調子が悪い日には、腰に激痛が走る夢をみて、目を覚まします。

調子が悪いときは、背骨の周囲にかなりの数の鍼を受けます。嫌だなというところに刺されると、ぐちゃっとした感じがします。そのあと、ぐったりするのですが、次の日にはすっきりします。

 


運転手さんは「椅子に腰かけ、腕を前に出して、ハンドルをつかむ。片足を浮かして、ペダルを踏み続ける」という姿勢を、長いときには、10時間近く保持するのが仕事です。

こういう姿勢を続けていると、身体の各部は重力に抵抗するため、不自然な姿勢を維持し続け、関節は凝り固まり、筋肉はだるくなり、バリバリに張ります。ひどくなると、冷えやだるさが、膝や足首まで下りていきます。

これが同じ姿勢を続けることで起こる痛み、「姿勢性の疼痛」と呼ばれるものです。

これも大変つらいのですが、不自然な姿位の持続負担は、筋肉や関節という運動器以外に、胃や腸などの消化器にも悪影響を与えます。

Kさんのお腹を触ると、とても冷えています。
鍼をしていると、ゴロゴロ腹鳴が始まり、お腹が動き出します。冷えのために、胃や腸の蠕動運動が停まっていたのです。

こうなると体調ケアの対象は、筋肉・関節にとどまらず、不調になった臓器の機能回復も目指さなければなりません。

ぎっくり腰について。

Kさんは、通院いただき始めて半年以上が経過しています。
来院されて以降、ぎっくり腰は再発していません。しかしながら過去に苦しまれた記憶が鮮明に残っていて、今でも潜在的に、再発を恐れていらっしゃいます。

これは脳がまだ「怯え」の状態にあるのです。
できたら、この記憶をリセットしたい、薄めたい。潜在的に痛みの恐怖を抱いていると、逆に痛みを呼び出す結果になるからです。簡単なことではないのですが。

※ 写真は、うちのネコ「こむぎ」です