続けてもいいかな、と思うようになりました Fさん62歳女性

症例報告

3年くらい前、今の家に引っ越した直後から、理由もなく不安を感じるようになりました。同時に、耳鳴り、動悸、そして寝ていても途中で必ず目が覚めるように。

それ以来、神経内科、心療内科に通うものの、改善が見られず、今年の1月に会社を辞めてしまいました。通勤中に激しく動悸がして、眩暈がして、どうなってしまうのかと、不安でたまらなかったのです。

こちらに伺って、1回目から4回目までは「目がすっきりしたな」とか「首が回るようになったかな」程度の感じだったのですが、5回目からは、夜間目が覚める回数が減ったり、それに指の爪がつやつやしてきたり (足の爪はまだまだですが) と具体的な変化を感じるようになってきました。

最近では、友人に誘われて外出する機会が増えました。前は、誘っていただいても、迷惑をかけたり、不愉快な思いをさせたりするのではないか、と消極的だったのですが。

 

Fさんが初めて来院されたとき、不安そうで、眼を落ち着きなく動かしていらっしゃったこと、常に汗が噴き出て、それをせわしなくハンドタオルで拭っていらっしゃたことが印象的でした。鍼は初めて、ご主人に勧められて、ということでした。

Fさんの諸症状は、恐らく医学的には、不定愁訴、不安神経症、自律神経失調症と行ったところに落ち着くのでしょうか。これだけ多方面に症状が出ると、どこの科を受診すればいいのかも決めかねます。

初めての方に、強い刺激のある施術をすると、不安を助長させる可能性があります。

お身体を拝見すると、頚から肩、肩甲骨回りがとても硬い状態でした。
ご自分で、改善しているな、という自覚が必要。それを促すためには、刺激と身体感覚の改善を上手に調和して進める必要があると考えました。。

私どもでは「積聚治療」という、穏やかに身体を変化させる施術を取り入れています。これは、脊中のツボに、先の丸めてある鍼を使って、刺激を与えて、身体の調整を目指すというものです。よく「鍼は痛いから」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、鍼の効果を出すためには、必ずしも身体に刺す必要はないのです。

※ 写真は、うちのネコ「こむぎ」です