世界史の中の、日本古代史についての本

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歴史学と、考古学とは、もちろん違う。前者は特に文献資料を検討して、歴史的事実を希求する。考古学は、発掘された物を分類整理して、歴史過程を秩序付けようとする。

なので、どの土器が、どの時代 (何年) に作られたのか、とか、文献比較上××天皇の実在は疑わしい、とかいった説明がされる。

でも「前方後円墳はなぜあの形なのか」とか「それを目の当たりにした当時の人は、どのような印象を持ったのか」とかいった疑問に答えてくれない。

これについて、認知考古学という立場からアプローチしようというのが、著者の立場である。非常にクールでおもしろい。

岡田英弘とか、紀元前後から飛鳥奈良前までの歴史を、世界史の中の日本という立場からまとめるという作業は、私が、森浩一に憧れて同志社大学文学部を受験した時代からは、ずいぶん違う地平に立った学問になったのだな、と感慨深い。

いずれも最新刊というわけではなく、最近知ったのだけど。