「科学とは何をなすものなのか」を考える

Staff Blog

今さら、といわれるかもしれないが、山本義隆は私にとっては古典である。

いまは『十六世紀文化革命』を読み直している。

15世紀の大学アカデミズムや、人文主義的なルネッサンスが、17世紀の華々しい自然科学を、直接生み出したわけではない。その間に、16世紀の職人や商人たちによる、原理絶対主義から抜け出し、経験・実験を重んじる経験主義的な知性の普及が欠かせなかったという話である。

このあとに、17世紀の科学革命を論じた『磁力と重力の発見』に進む。

われわれが直面している、21世紀の情報技術革命について、その将来がいかなるものになるのか思いを巡らすが、その思考の底辺に、こういう知識がある方が心強いのではないか、と思う。