脊柱管狭窄症は、どのくらいで治るのですか

身体へのヒント

「何度くらい通院すれば、脊柱管狭窄症は、よくなるのでしょうか」

時間的にも、費用的にも、身体状態からも、これが重要な関心事であることは、よくわかります。

どこの治療院でも、それなりに実績を持っているところであれば、1回の施術で「痛み」のレベルを下げることは、難しいことではないと思います。

ですがその先、これだけやれば、これだけ治る、というようにご説明するのは、とても難しい状態です。平凡ですが「人によって違う」としか申しあげられないのです。

脊柱管狭窄症の特徴的な症状として、長い時間歩いていられない「間欠性跛行(間欠性跛行)」というものがあります。施術を繰り返していただくことで、どれだけの時間、どれだけの距離を歩けるようになったかで、客観的に治療効果を知ることができます。

私の経験では、早い人は2~3回で、生活に必要な活動に不自由ないくらいまで、回復されました。60代前半の男性でした。3日後と、5日後と、治療間隔を広げていきました。

坐骨神経痛に限ったことではないのですが、身体の回復は、施術をすれば、その施術ごとに、比例的に改善していくわけではありません。最初はまったく変化がないのに、あるとき突然、痛みが薄らいで、普通に歩行できるようになる、という例を何度も見ています。人体の変化はある閾値(しきいち)を越えないと現れない、ということがあるように思えます。

そして、その閾値をいったん越えると、それ以下に落とさない生活工夫で、鎮痛が可能になります。

いっぽう、年齢を、重ねれば重ねるほどに、けがなどの身体的なダメージが、大きければ大きいほど、症状が発生してからの時間が、たっていればたっているほど、改善効果は乏しくなる傾向があります。

こうしたことから、確実に治る日程を立てる、というのは難しく思います。

ではありますが、経験的に、ほとんどの患者さんは、10回程度の施術で、20分から30分程度の歩行を、痛みなしで、歩けるようになります。