アメリカのタイム誌に、2015年鍼灸が首の痛みに実際に効果があるという記事が掲載されました。リンクはこちら(英語です)。
以下要旨です。
米国内科学会によって発行されている医学雑誌である「Annals of Internal Medicine」に、鍼灸とアレクサンダー・テクニークの2つの方法が、科学的に正当性があると発表されました。
※ アレクサンダー・テクニークは、姿勢やバランスを整えることによって不必要な筋肉の緊張を防ぎ痛みを改善する処置法です。
どちらも首の痛みに効果があるとされてきましたが、今回の研究により、西洋医学的な対策のみを受けるよりも、首の痛みが減少するということが証明されました。
今回の研究は、首の痛みを3ヶ月以上訴える患者517名を対象に行われました。
すべての患者は、「痛み止めの投薬」や「フィジカルセラピー」を日常的に受けており、中には数年間首の痛みを抱えている患者もいたそうです。
1年に渡る経過観察の結果、鍼灸やアレクサンダー・テクニークを受けたグループは「通常の対策のみのグループに比べ32パーセントの痛みを軽減」したという結果になりました。
フィジカルセラピーやエクササイズでも痛みが軽減することがわかっていますが、痛みの軽減率は1年に9パーセントと言われており、効果の差は歴然としています。
この結果は、鍼が痛みに効くと証明した2012年の1万8000人を対象にした研究をさらに裏付けることになりました。
クリーブランドクリニックセンター・統合医学科の鍼灸師であるJamie Starkey氏は
「鍼灸は痛みの軽減に効果があるだけでなく、抗炎症にも作用している」と語ります。Starkey氏は今回の研究には参加していませんが、鍼灸は神経器官に作用し痛みを軽減すると提唱している一人です。
「首の痛みがある患者の多くは、ステロイド注射やイブプロフェンなどの抗炎症剤を処方されています。しかし鍼灸は、投薬することなく同じ効果を期待できるのです。
このような研究が、鍼灸をもっと表舞台に出すことができるといいと思っています。たくさんの患者が鍼灸を受けられるようになるといいと、多くの医師は思っているのですから。」