カッピングで、なぜ痛みが取れるのか

痛み

カッピング(吸玉・吸角)をかけると、皮膚の下に紫斑ができます。

これは、陰圧にした吸角を皮膚に密着することで、皮下の血管壁が吸引されて、毛細孔隙の血清濾過量が増加した印です。これによって、筋肉自体の硬結が緩みます。

多くの神経系は、筋肉の間を這うように広がっているため、それが通過する筋肉が硬くなると、幾重にも圧迫を受けます。逆に筋肉が緩めば、その圧迫が解け、システムの興奮が収まります。

写真の患者さんは、頭部、頚部の鍼に加えて、肩部、背部、腰部に渡って広くカッピング(吸玉・吸角)をかけることで、筋肉を単体ではなく、頭部から腰部に伝わる連続体として処方しています。

これは、川に例えると、その上流から、下流までの汚染を、同時に除くように、痛みの発生源と、その影響下の組織を同時に鎮痛する、という利点があります。