刺す鍼の数の多い、少ない

身体へのヒント

当院では、身体に刺す鍼を1本も使わない治療も行いますし、必要なら写真のような数の、長さ・太さ様々な鍼を、一回の施術に使うこともあります。

どちらが効果があるのか、それは一概に言えません。「刺せば刺すだけ効果がある」というように単純であるなら「刺せるだけ刺せば」終わりです。残念ながら、そうはなりません。

人体には「一度に受け入れられる刺激の量」というものがあり、それ以上刺激しても、もはや身体を傷つけるだけで、施術の意味がなくなってしまいます。治療は、難行や苦行ではありません。鍼の刺激に、耐えれば耐えるだけ、痛みが鎮まる、ということはないのです。

しかしながら、例えば痛みを川の流れで例えると、痛みを発生させている原因の部位を上流とすると、腰や肩の痛みは中流。さらに足や指の痛みは下流となります。上流の発痛因子だけ対処すれば、中流や下流の痛みはすぐに消えるのでしょうか。幸運であれば、そうなりますが、残念ながら、現実的にはそうはならないことが多いのです。

つまり、発痛因子に対処しながら、症状を発生させている部位にも同時に対処する、という必要があります。痛みが、身体のあちこちに広がっているのなら、中流から下流まで、その河川領域に対処が必要になります。

こういった場合、使う鍼の数が多くなります。