ぎっくり腰や五十肩は、最初の1週間が勝負

エッセー

※ 以下、腰痛や頚肩部の、主に筋肉・腱・神経に由来する痛みについて述べる。感染に伴う痛みや、組織破壊を伴う発痛については、対象としていない。

「急性期」とは、同じ症状が3ヵ月程度継続していることをいう、それを越えると「慢性化」と呼ばれるのだけど、こと、腰痛や頚肩部痛 (一般的には「五十肩」「ぎっくり腰」と呼ばれることが多い) は、そんなに悠長なことをいっていられない、と思う。

発痛してから1週間以内、できたら発痛当日から施術するのが、圧倒的に効果が高い、と思う。

患者さんのなかで、痛みが「純粋に」痛みとして存在しているのがその程度の長さで、その期間を過ぎてしまうと、痛みが「観念的なもの」に移行してしまう。前者が急性期、後者が慢性期。当然、発痛因子が複雑化した慢性期の方が、治療も平易ではなくなる。

これは、私の個人的な印象に過ぎないのかもしれない。クリニックでは、急性期の疼痛に対して「悠長な」処置を選ぶことを、いまだに是としているからである。

ぎっくり腰の多くは、鍼灸学校の3年生ならば、1~2回の施術で、かなりの程度の回復が可能なのだと思うのだけど。その程度の、病症なのだと思うのだけど。