Staff Blog

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『ハワーズ・エンド』E.M.フォースターを読む

久しぶりに読書する。1879年生まれのイギリス人が、1910年に書いた、ロンドンとその郊外で繰り広げる、主に3人の人間についての小説。訳したのは吉田健一。480ページ余り。「人と人の間の理解はどのよう...
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「科学とは何をなすものなのか」を考える

今さら、といわれるかもしれないが、山本義隆は私にとっては古典である。 いまは『十六世紀文化革命』を読み直している。 15世紀の大学アカデミズムや、人文主義的なルネッサンスが、17世紀の華々しい自然科学...
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『五重塔』幸田露伴を読む

今は無き、谷中感応寺塔建立を巡る職人の話。人々の意地と思惑とが交錯し、登場人物全員が悲劇的運命に犯される話。 明治24年の作。そうかぁ、この文章は、古典落語なのだな。地口と会話の区別が朧な点とか、歌う...
身体へのヒント

冷え、痛み、不快な皮膚感覚は、どうして発生するのか

ヒートテックを何枚も重ね着して来院されて、室内が寒いとおっしゃる。手も足も、腹も頭も、私の手のひらよりあったかいのに、部屋に寒さを感じるとおっしゃる。 私が触れると、冷たいといい、やがてくすぐったいと...
身体へのヒント

運動はしなくていい、体操をすればいい

痛みや眩暈、頭痛といった病症は、その原因を一つに特定することは難しい。ほとんどの場合「原因」の複合的な組み合わせによって発生しているからである。 原因が一つではないのだから、何か一つの対策によって、症...
エッセー

寒い、暑いという感覚について

患者さんの身体をみていて、体熱が充分にあるのに、温覚に過敏で、室温を気にして、タオルを掛けるときの風にも冷気を感じる。施術の指が触れたときの皮膚刺激が強く、痛みではなく、くすぐったく感じる。こういう、...
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「あの時代」は、本当に、今より良かったのだろうか

40年来通っている高円寺の喫茶店で、隣り合わせた20代の方に、店の開店当時の高円寺ってどんな感じだったんですか、と尋ねられた。1978年10月のことである。 そのとき、たまたま読んでいた本に「1946...
身体へのヒント

気象の変化と、身体の状態について

ちょっと雑駁な印象論なので、聞き流していただけるとうれしいのだけど、昨日 (2023/12/21) から、気象の何かの構成要素が変わった気がする。東京の話である。ひょっとしたらさらに細かく私が住んでい...
エッセー

「正しい姿勢」というのは、神話に過ぎない

「正しい姿勢」「理想的な姿勢」とは、簡単に言うと「耳・肩・腰・膝・くるぶし」が一直線になる状態をいう、とされています。「正しい姿勢」を取らないと「筋肉のバランスが徐々に悪くなっていき、肩こりや腰痛を引...
エッセー

人間とは何かについて、考えてくれる人が少なくなった -2

「人間とは何か」について考えることの特徴は、それが「答えのない問い」であることである。 たぶん正しくは、答えは、それを問うた人の数だけ、存在している。 そういわれると、それは「問い」とはいえないのでは...