左側、肩甲骨の内縁の辺りが激しく痛む、という方がいらっしゃいます。
夜も痛み、鎮痛剤やモーラステープなどを使わないと眠れない。
肩甲骨の内側は、肩回りや腰のように大きな筋肉がありません。これらが血行不良になって、神経を大規模に絞扼し、痛みを産む、というケースは多くありません。では、どこが傷むのか。
多くの場合、頚部の筋肉の張りが、この疼痛を引き起こしています。
直感的には馴染まないかもしれませんが、身体では原因箇所と違う場所に、激しい痛みが生じる、ということが頻発します。
頚の骨と骨の間から、腕や背中へと延びる「感覚神経」が這い出てきます。
この骨の管から外に出た感覚神経が、骨を守るために厚く張った筋肉のこりに縛り付けられて、感覚異常を発生させ、そこから離れた背部に痛みを生み出します。つまり、この筋肉のハリを緩めなければ、痛みは消えません。
肩甲骨の辺りの痛みの場合、頚椎6-7番の高さの神経の出入り口と、その周辺の筋肉に鍼を刺します。
すると患者さんは、「左の上半身、指から腕、背中にバーッと何かが走った」という感覚が生じます。これを「ひびき」といい、詰まっていた神経の流れが復活した感覚なのです。