昔は、卵は高コレステロールなので、一日1個以上取ると体に悪影響がある、と言われてきました。この考え方は、今では変わってきています。
●食事が、コレステロール値に与える影響は少ない
コレステロールは体内で合成できる脂質で、食事で摂取するコレステロールの影響は少ないということが分かってきました。摂取目標量を決める科学的根拠が少ないため、最新版の食事摂取基準では、コレステロールの目標量もなくなりました。
●とはいえ、高コレステロール食品のとり過ぎには注意したほうがいい
特に、高コレステロール血症の人や親が高コレステロール血症の人は、無関心にばくばくコレステロールを取っていいというわけではありません。
●卵は適量摂取を心がける
卵はコレステロールが多いため、コレステロールの摂取量を制限している人は、卵を食べなければ上限が守りやすくなります。もっとも、卵は血液中のコレステロール値に影響しないという報告もあります。これは、卵黄に含まれるレシチンに、LDL(悪玉)コレステロールを減らして、HDL(善玉)コレステロールを増やす働きがあり、余分なコレステロールが血管に沈着するのを防ぐためと考えられています
上西一弘女子栄養大学栄養生理学研究室教授の記事。『日経Gooday 30+』から。オリジナルの記事はこちら