職業選択の自由について、考えた

Staff Blog

昔から、職業選択の自由 (日本国憲法では第22条) というのがよくわからなかった。

憲法学は、大学で少しかじっただけで、まったく専門的な知識はない。ぐうたらなので、興味があっても、それに関して熱心に勉強したこともない。したがって下記は、私の単なる妄想である。

この条文に関しては、「公共の福祉に反しない限り」の意味が問われることは多いけれど、「居住、移転」と「職業選択」が同列になっている理由がわからない。

で、思ったのは、この条文は、市民が、何者かから「奴隷化されること」の保護を目的にしている、ということだ。住んでいる場所から強制的に移住させられ、望まない職業に従事させられる。このような強制を受ける身分とは「奴隷」である。憲法は、奴隷として扱われない「自由」を担保しているのだ、と。

ところで職業の選択を制限しているのものは、明示的ではないにしろ、例えば「その人の生まれたときの環境」というものも挙げられる。

これについて考えたのは、離島に住む転住3世代目の方と、その祖父で離島への転住者の方との確執の話を伺ったからである。

そのお話をここで紹介する意味はないが、すごく単純化すると「親が、子供の職業に強い影響力を発揮すること」は「正しい」ことなのか。言い方を変えていくと、親には子供に対してどのような「権利」があるのか。子供にはその「権利」に対抗する、どのような「自由」があるのか、ということである。

親の「権利」の中には「子供の決定に対して、強い影響を与える、圧力を加えること」が含まれるのか。子供は自分の職業を自分で選ぶ「自由」を行使することによって、どのような代償を負うことを、必須とするのか。

憲法の存在というものの無理解には、こういう「権利」と「自由」についてのコンセンサスが、決定的に不足していることもあるのではないのか。

まあ、これはそもそも、法学に属する問題なのか。その是非は棚に上げさせてもらうけど。

=============厚生労働省のホームページから=============
日本国憲法(昭和21年憲法)第22条第1項においては、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」と規定されており、これは、職業選択の自由を保障しているものである。

○ この「職業選択の自由」は、自己の従事する職業を決定する自由を意味しており、これには、自己の選択した職業を遂行する自由、すなわち「営業の自由」も含まれるものと考えられている。

「公共の福祉」との関係
○ 職業選択の自由は、経済的自由権の一つであり、「公共の福祉に反しない限り」とあるとおり、

① 主として国民の生命及び健康に対する危険を防止もしくは除去ないし緩和する目的 (消極目的)

又は

② 福祉国家の理念に基づいて、経済の調和のとれた発展を確保し、特に社会的・経済的弱者を保護する目的(積極目的)から、規制を受ける人権と考えられている。
※ 精神的自由権(思想・良心の自由等)と比べて、より強度の規制を受けるものと解されている

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002x4pz-att/2r9852000002x4v6_1.pdf

=============以上=============