素人の生兵法に、ご用心

身体へのヒント

2024年6月初頭。帰宅するとき外を歩いていると、肌寒くて「薄着しすぎたな」と後悔したのに、帰宅すると、室内はじめじめしていて、暑苦しくて、さっきは「薄着しすぎたな」と後悔した服を、剥ぎ取るように、脱ぎ捨てる。

シャワーを浴びる。お湯をいきなり肌にかけると、真冬ほどではないけど、一瞬ひりっと熱さを感じる。

寝ようと思い、パジャマを着て、ベッドに横になるのだけど、熱が身体にまとわりつくような不愉快な感じがして、寝苦しく、窓を開ける。すると、夜風が入ってきて、一瞬だけ気持ちいいけど、すぐに今度は寒くなり、掛布団が欲しくなる。


私は、自律神経失調症なのでしょうか。

東洋医学の本を読むと、私は乾燥冷えタイプのように思えるのですが、どういうツボにお灸をすればいいでしょうか。

などという質問を受ける。ちょっと答えに窮する。

以上の情報から、この方がどのような「タイプ」に属するのか、私には判断できない。情報が少なすぎるからである。

世の中は、便利であることや、わかりやすいことを優先させて、物事を単純化して理解しようとする傾向がある。だけど残念ながら、人間の身体は、大変複雑な構造体である。なので「4つのタイプに分類する」とか「コスパがいい方法をセレクトする」という処置がなかなか難しい。

「自分の身体のことは、自分が一番わかる」から「自分で養生する」という考えも理解できるけど、一知半解という言葉もある。眉に唾を付けたくなる人もいるかもしれないが、専門家は専門家である。「わかりやすさ」に過信されないか、少しハラハラして横目で見ている。

ちょっと皮肉な言い方をするなら「非専門家の方が手を染めても、致命的な失敗に及ばない範囲の説明に終始する」というのが、健康本の必須条件なのだろう。それで「期待される効果」も出さなければならないとするなら、大変なハードルの高さだと思うのだけど。