パルス (電気) がいつも有効とはかぎりありません

エッセー

鍼灸院でよく見かけるパルス機器。「低周波治療器」といいます。

一般的な鍼灸院では「鍼を数本刺して、15分くらいこの器械をかけて終わり」というのが1つのコースになっているようです。

このパルス機器はどのような効果があるのでしょうか。

刺した針の間を低周波の電流を流し、筋肉を短収縮させて (ピクピク筋肉が動く感じがします)、血流を促すという目的に使われているようです。

私どもは「身体の回復力を、賦活する」を目的として鍼施術を行うので、指による感覚・操作を最優先させます。筋を収縮させるのなら、低周波の電流を流さずとも、雀啄(じゃくたく)という手技が効果的です。

大きなチェーン店などの施術院では、人による作業を最小限に効率化するため、器械を導入します。

私どもは「このような効果は限定的である」と考えるものですから、可能な限り手技で対応しようと考えています。

もっとも今や21世紀。どんな高級な割烹料理店でも、目的に合わせて電子レンジを利用する時代です。

軽症の肩こり・腰痛では、自力での筋運動を促した方が、短期間に症状が緩和するのため、強制的に筋肉を動かすパルス機器を利用しません。

いっぽう、自力で筋運動を行えない方、例えば、年配の方やケガなので運動器障害がある方などに使うととっても効果を発揮します。

私どもでもこの目的でパルス機器を使用します。