『仮面ライダー』について考えていて、なんでこんなに思い入れが薄いのかと。それは同作が1971年発表=私が中学1年=もう大人の自負、ということなんだろうと思ったのだけど、どうも違う。
たぶん私には『仮面ライダー』は、子供向きの『サイボーグ009』にみえたからなのだろう。対して『サイボーグ009』は、大人の物語に思えた。両者の物語の構造には、大きな違いはない。
『サイボーグ009』(第1部)では、敵は地球制服をもくろむ宇宙人などではなく、戦争が絶えてしまうと商売が干上がるため、絶えず戦争を引き起こす武器商人たちであり。その戦いは、絶望的であり、最後に、009と003の二人が流星のように燃え尽きてしまうロマンティックな結末も、胸が痛むほどの思いを抱くものだった。
思うに『サイボーグ009』について、石森章太郎は、最後まで構想はできていたのだろうか。『ミュータント・サブ』『ブルーゾーン』『リュウの道』など、途中で投げ出してしまったものと違って。