目的が明白ならどんな施術でも

エッセー

鍼灸と、整体やマッサージは何が違うのか、という質問を受けます。

平たく言えば「身体に対して何らかの影響を与える」点では、両者になんの違いもありません。

患者さんが現在抱えている病症に対して、それを「緩解させるための戦略」があるか、ないかが問題なのだと思います。その戦略に立っで、今日の施術は、どのような効果を目的とするのか、どこまで達成できたのか、といったことをきちんと考えているのか、が問題なのだと思います。鍼とかマッサージといった手法の違いは、好みの問題でいいのではないか、と思います。

施術や治療は、こういう理論の背景がないと、行き当たりばったりになってしまい、改善すればラッキーで、改善しなければその理由を知ることなく同じことを失敗が判明するまで繰り返す、といった愚行に陥りがちです。

患者さんが感じている症状がとっても深刻に思えても、その原因はそれに見合わないほど単純であること多いようです。もちろん高を括るのは危険ではありますが、単純な手法で改善することも多いようです。

要は、治療の理論がしっかりしていることが、「鍼か整体」かといった、手法論よりも重要なのだと思います。