写真は鍉鍼 (ていしん) という種類の鍼です。
銀色のものは銀製、金色のものは先端が金でできています。私は積聚 (しゃくじゅ) 治療という方式の施術を行うので、この鍉鍼はその治療用に作られています。
通常の鍼と違って、太く、先は丸まっています。針というより、棒です。金属製の棒。
この棒を、身体の必要と思う部位の皮膚に、接触させます。強く押しあてることはしません。触れるか、触れないか程度の感覚です。
これで身体の状態が変わるのか。変わるのです。痛みが薄らぎ、取れるのです。
たぶん、私だけではなく、臨床鍼灸師なら、こうした経験は、普通に持っているものだと思います。
とくに身体の疲弊度が高く、通常の鍼を受け付けられない患者さんに有効です。栄養豊かなご飯を食べても、それを消化できないような患者さんに、地道に、おかゆを食べていただくような感じでしょうか。
ただ、この施術法は、手間と時間がかかり、すべての方に有効というわけではありません。うまく説明できないのですが、私の技術では、患者さんとの相性のような問題があり、うまくいく場合と、うまくいかない場合があります。