気候の微細な変化に、身体はそれに見合わない大きな変化が起こる

冷え

(大学に入って初めて買ったパックが、古道具屋にあった)

昨日まで快適だったスニーカーソックスが、今日は足元から冷感が立ち上がり、とっても不愉快だ。同じ素材の、少しだけ丈の長いソックスに変えたら、快適になった。足首が露出するかどうかだけで、冷えに対する感覚が大きく違う。

脛の露出の差で冷感にこれだけ差があるのだから、頚肩部の露出度はもっと身体全体への影響が大きい。襟を立てたり、ストールをまいたり、タートルネックにしたり、頚肩部での冷感が発生しないように、寒気の影響を排除する。

しかしその身体を守るものは、薄い1枚の繊維であったり、長さ数センチの差の靴下だったりする。その差が、身体の冷感に大きな影響を与える。

何が違うのか。冷えると何が起こるのか。これを毛細血管の血流障害の発生と考えてみる。血液が循環しないので、筋肉や腱・神経、肌といった身体構成物が栄養されない。労廃棄物が静脈によって排出されない。するとこの構造体は、硬く収縮する。「コリ」の発生である。

コリが発生すると、その部分の感覚神経が過剰に興奮する。そのため気温など変化が過剰に知覚され、変形され、オーバーシュートする。これが、耐え難い冷えや、痛みを発生させるメカニズムである。

同じ気温湿度であれば、薄い1枚の繊維であったり、長さ数センチの差の靴下の違いで身を守ることができる。しかし、その温度や湿度が短時間で複雑に変動すると、身体はそれに合わせた感覚神経の調整に追い付かなくなってしまい、不調和な状態が発生する。これは人体に不快な感覚を呼び覚ます。これがまた感覚神経に影響を与え、負のスパイラルを生み出す。

ここから抜け出すもっとも簡単な方法は、コリの解消である。そんなことは、わかっているとおっしゃる方も多いと思う。マッサージを受けるとか、湯につかるとか、そういう経験から身体感覚として理解できることだからである。

血流障害は、筋や皮膚といった体表に近い部所だけで起こるものではない。身体深部の腱や神経束でも起こる。このような場所での血流障害因子=コリを取るためには、そのコリの部分に直接アプローチし、血流を回復させることが効果的である。鍼をお勧めする所以である。