健康について 2:歴史の中の医療

Staff Blog

今たまたま司馬遼太郎の『胡蝶の夢』を読んでいる。

幕末、当時医療の分野で主流派ではなかった、西洋医の松本良順、関寛斎、司馬凌海といった人たちの明治維新に向けての物語である。

どの主要登場人物も、穏当に日々を生きる人たちではない。その性格や、身分、信条のために、社会の中にうまく居場所を見出しがたい人々である。

主人公は、誰でも知っている英雄のような、歴史に名を遺した人々でもない。しかし、西洋医学の重いドアを引き開けた人たちであるから、その人生は大変な激務の連続であった。こういう方々を知ると、そのお身体の状態が気になる。この方たちは「健康」だったのだろうか。

まあ普通、物語の登場人物を「健康」かどうかで測るなどということはしないだろうし、多くの場合、意味もないのだろう。

物語中、京都にあって政治的逆境のため過度の不眠に陥った一橋慶喜に、松本良順が反対をおして、モルヒネを処方するエピソードがある。モルヒネである。

そういえば、アメリカの初代大統領ジョージ・ワシントンの死因は、瀉血による大量出血死であると聞いたことがある。

こういった「過剰な」治療は、医療が「過渡期」にあったから、なのだろうか。現代医療は成熟して、不確定な要素のない、安全無難な技術になっているのだろうか。

※ ここに記載したエピソードは、辻本の記憶に基づいて記述しており、誤解や誤謬を含むものであることをご了承ください。