東洋医学についての妄想 2023年秋 – 3

Staff Blog

自分で書いたものを読み返して思ったのだが、私は東洋医学を「人体から発生・発達したもの」ではなく「世界の概念的理解を、人体に応用したもの」と考えている節がある。

例えば「肝」は、肝臓の機能を観察、抽象化して、東洋医学の「肝」になったのではなく、人体で表現される現象をグループ化し、それに象徴的な名前として「肝」「脾」などと呼んだ、と。

だから東洋医学の「肝」の機能と説明されるものは、首尾一貫していないし、身体の肝臓の機能に対応もしていない。それは、当たり前で、人体機能の観察からスタートしているわけではないから。

たぶん、こう考えないと、私は、東洋医学に内在する矛盾に耐えられないのだと思う。暴論かもしれないが、五臓や経絡といった概念も、後付けの辻褄合わせなのではないか。

誤解されると困るのだが、私は「五臓や経絡といった概念」が「臨床に無益ではある」と言っているわけではない。理論の無効性を言っているのでもない。単に、その理論形成について考えているだけである。