運動はしなくていい、体操をすればいい

身体へのヒント

痛みや眩暈、頭痛といった病症は、その原因を一つに特定することは難しい。ほとんどの場合「原因」の複合的な組み合わせによって発生しているからである。

原因が一つではないのだから、何か一つの対策によって、症状が劇的に改善する、ということは、多くはない。もちろん、ある種のサプリメントを補充することで、例えば、生理周期が安定する、ということもあるだろう。

では、どうすればいいのか。医者や治療院にかかる以外に、自分で行えることはないのか、という質問を受けると「身体を動かすこと」を勧める。

そうすると多くの方は、運動を始める。スポーツジムに入会し、筋トレを始める。プールで週10km泳ぐ。こうしたことで、病症が改善するのなら、口を出す余地はないのかもしれないが、余計なことを考える。

例えば、頚腕症候群は、複数の筋肉や神経システム、関節構造が、複雑な機能不全を起こすことで、痛みなどの症状を発生する。これを、三角筋や僧帽筋を対象に負荷運動することで、決定的な対策となるのか。泳ぐことで、腕を回旋・屈曲・伸展させ、深い呼吸を続ける。もちろん身体にポジティブな影響を与えることはできると思うが、体系性、包括性に欠けるように思う。

私は、このような運動よりも「体操」がいいのではないかと思っている。

身近なものでいえば「ラジオ体操」である。今なら「TV体操」なのかもしれない。昔なじみのラジオ体操は、身体各部のバラエティに富んだ運動を、組み合わせで実行できる。ジムでインストラクターの指導の下に行うストレッチよりも、前近代的に見えるかもしれないけれど、養命酒のように、身体活動に必要な要素を漏れなく集めてあるという点で、とっても優れものだと思う。

chocoZAPに入会するのも悪くはないが、radikoで好きな時間に、一日一回のラジオ体操をお勧めしたい。