米オレゴン州が、麻薬性の鎮静剤の代わりに鍼灸を認める

痛み

日本でも鎮痛効果が高いとされているオピオイド性鎮痛剤が使われていますが、患者さんの強い訴えに、本来なら末期がん患者に処方される量の薬が出されています。このような手段で鎮痛を行うと、痛みを伴う病気を改善しても、鎮痛剤の乱用に伴う後遺症に悩まされる可能性があります。

※以下、Facebook「鍼灸Net」に記載の記事を抜粋しています(文責:辻本)

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アメリカでは、ドラッグやアルコール中毒だけでなく、風邪薬や鎮痛剤など、処方された薬物への依存が、大きな社会問題になっています。

オピオイドとは、モルヒネやヘロインなどの麻薬性鎮痛剤や合成鎮痛剤などの総称で、アメリカでは鎮痛剤として処方されることが多くあります。

痛みの度合いは客観的に評価することが難しいため、患者の自己申告により処方されるケースが多く、これが依存や乱用につながっています。

以下はニューオーリンズの新聞「The Times-Picayune」で2016年3月4日に掲載された「鍼灸がオピオイド危機を食い止めることができるか?」という記事です。。

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2014年の1年間だけで、アメリカでは オピオイドの過剰摂取による死者が18,893にも上りました。
全米でオレゴン州がトップとなっており、オレゴン州は対応を模索しています。

NPR(アメリカ公共ラジオ放送)によると、オレゴン州の薬物乱用の3分の1が依存性の高い処方鎮痛薬によるものだそうです。

オピオイド依存症が全米に蔓延している中、オレゴン州では鎮痛に対し薬物ではなく代替療法での対策を推進していこうとしています。

これに伴い、オレゴン州では州の保険でも鍼灸やカイロプラクティックなどの代替医療を受けられるように法律を変更。2016年1月より施行されています。

ポートランドの統合医療センターの代表であるDavid Eisen氏はこう語ります。

「痛みを除去するために、 鍼灸やカイロプラクティックなど多数の選択肢があるべきです。そういったものをまず試してみて それが効かないようであれば、最終手段として オピオイドを使用するべきなのです。」

鍼灸などのは、処方される鎮痛剤に比べて コストが高く付くこともあるといいます。

しかし、オピオイドの依存や乱用の数を減らせるのであれば、長い目で見れば州としても コスト削減につながるとNPRはレポートしています。

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以前の記事中でも触れましたが、アメリカでは鍼灸はが保険の対象として認められていません。しかし、こうした取り組みによって鍼灸が浸透することで変わっていくかもしれません。

日本国内においても このようにエビデンスを作る取り組みを行うことで浸透率が変わっていくことでしょう。
http://goo.gl/42PpLk
(リンク先は海外サイトです)
Acupuncture to stem opioid crisis? Oregon tries it, NPR says

Experts also recommend massage therapy, chiropractic treatments before prescribing pain relievers

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