ジェンダー問題と中医学

エッセー

最近ジェンダーについて思うところがあり、いろいろ考えることがある。

例えば、中医医学である。

単純すぎるといわれると思うが、中医学に、歴史上高名な女性の理論家、というのはいたのだろうか。治療家でもいいが。

周恩来が、日本の政治家との会談で「中国は、儒教という迷惑な思想を日本に輸出することで、多大な迷惑をかけた」と語るがごとく (単なる逸話かもしれない)、中国のあらゆる文化には、儒教的なバイアスがかかっている。当然中医学もこの軛からは逃れらない。

理論のそこかしこに漂う「男くささ」に対して、それがジェンダー意識の高い方の抵抗にならないのか、と思う。変な妄想かもしれないが、将来「女性」は、古典としての中医学に関心を持ちにくくなる気がする。

さらにいえば、一番ジェンダー性の薄い理系的な諸学に「女性」の研究者は流れるのではないか、と妄想する。