重度のうつにも、認知行動療法が有効であることが証明されました

身体へのヒント

京都大学医学部の研究グループが、重度のうつにも、認知行動療法が有効であるという発表を行いました。趣旨は以下の通りです。※分責:辻本。出典はこちら

・認知行動療法が有効かどうかを最新のエビデンス統合法を用いて検討した結果、治療必要数(治療効果の指標)は12。一般的に用いられる抗うつ薬は7から9。この結果認知行動療法も合理的な選択肢になりうることが示された

・認知行動療法は、重度のうつ病の場合でも、軽度のうつと同程度に効果があった

・薬物療法と認知行動療法との効果の差も、これまで考えられていたほど大きくはないことが分かった

・今後は治療を受ける本人の意向によっては、うつ病の重さに関わらず認知行動療法も治療の選択肢になる可能性がある

 

認知行動療法は、ある出来事に対する身体の反応、どのように考えるかという認知、出来事に対して持つ感情、実際に起こる行動という人の反応の四つの側面の中で、本人が意識してある程度コントロールできる認知と行動に働きかける治療法です。

今回の研究で扱ったうつ病の他、パニック障害や生活パターンが原因となる生活習慣病への応用も試みられています。