多くの人に支持されないことを始めた者が持つ、ヒリヒリした疎外感と、それを失った後の余生の物語。
女王様のようにふるまっていた安井かずみが、京都のボンボン加藤和彦と結婚したときには、とってもびっくりしたのだけど、その内情について語る吉田拓郎の話を読んで、いろいろ腑に落ちた。
この時代のクリエーターって、例えばミュージシャンなら、サザンオールスターズのような世代には、もう感じられない「向こう側を見た人たち感」があって、それが「戦後」というものだったのだと思う。わずかな年の差、居合わせた場所で、世界の印象が微妙に、絶対的に違う。
享年55。
著者の島崎今日子は。沢田研二についても書いている。なんで、こんな本を読み始めたのか、忘れてしまった。