『君たちはどう生きるか』の雑感

Staff Blog

見てきた。ジブリ式のアニメーション技術の高さに満足した。鈴木敏夫が、一切の前宣伝をしない、と判断したことがなんとなく理解できた。そうしたことが、うれしく思えた。

いくつか考え事をした。

宮崎駿は、1941年1月5日東京市生まれ、学習院大学政経学部卒業。1963年に東映動画に入社している。父は、一族が経営する航空機関連の仕事の役員を務め、比較的裕福であり、幼児期に家族で宇都宮に疎開も経験している。82歳。

年齢からいって、遺作になる可能性が高い。で、作家の「晩節」ということについて考えた。よく「晩節を汚す」と使われるが、本作がそれに該当する、云々ということではない。作家としての、本人にとっての、現代的な意味での、晩節とは何か、について。

今回の作は、事前に何も情報が出されなかったので、どういうものかいろいろ詮索されていた。私も、いくつか考えた。それは1/3はあっていて、2/3はまったく違うものであった。

いろいろあったのだが、一番印象的だったことがあるのだけど、ここには書けない。

物語の根幹をなすともいえるような、いえないような。宮崎駿個人の人間観、社会観にかかわることともいえるし、(私の世代とは違う)現代の標準的な精神感に関わることともいえる。かもしれない。

ほとんどの人間にとっては、さほど重要ではないのだろうけど、個人的には、これについて、いつかどなたかと話をしてみたいと思う。