美容と健康には、共通点がある

Staff Blog

終わりがない、という点である。

美しくありたい、理想の自分の造形でありたい、社会的に高く認知される容姿を獲得したい、という願望に、切りをつけるのは難しい。歯止めを自身でつけることができる、というのは稀な才能であり、多くの凡人は「沼」にはまり込む。美容の本質は、自分の満足と、他者の満足を一致させることであるから、大変な困難な事業である。

健やかでありたい、病気の不安から解放されたい、天寿を全うしたい、という願望にも、切りをつけるのが難しい。人間は誰しも、完璧な肉体を持って生まれてくることができないし、加齢という抗いがたい運命との妥協も強いられる。どのような健康商品からも、スポーツ・カリキュラムからも、不安を一掃するだけの保証を得ることは、大変困難である。

だからここに、ビジネスが発生する。

私はいちおう医療関係従事者であるから、この問題を、サービス提供者の観点から考える。

美容、健康の隣接概念に、われわれが従事する「医療」が存在する。私見であるが、両者の違いは「限界の認識」「達成可能な目的の設定」「目的に向かった合理的な作業」という制約の有無だと思っている。

市場には、この両者を使い分ける巧妙な商品が多数用意されている。これらが有益なのか、無益なのか、有益であっても限界があるものなのか、きちんと位置付けなければならない。その指標が、上記の差異なのだと思っている。その認識の上に「ビジネス」があるべきであると思っている。