自律神経失調症の改善に、鍼灸がお役に立てること

メンタル_自律神経失調

眩暈、動悸、異常発汗、消化器症状などを始めとする自律神経失調症。この症状改善に、鍼灸は有効だと感じています。

自律神経は、頭部から下り、脊椎の外側を走行する管の中に広がっています。この管の周辺は、頚や肩、背中を構成・維持する厚い筋肉に囲まれていて、これらの筋肉が硬化すると、自律神経は悪影響を受けます。簡単に言えば、肩こりが激しくなると、自律神経失調症を起こす可能性があるということです。

眩暈、動悸、異常発汗、消化器症状の背後には、重篤な病気が潜んでいる可能性がありますから、それらの有無を慎重に見極めなければなりませんが、まずはこれらの筋肉を緩めることで、症状が緩和しないか、試してみる価値があると思います。現代人のほとんどは、これらの筋肉がカチカチに固まっていることが大変多いのです。

以前、自律神経失調症の緩和に、長い鍼を使うというお話を書きましたが、これは脊椎に絡んでいる筋肉を深部からほぐすのが目的です。このような背骨に沿って鍼を刺すことも有効ですが、もっと刺激の弱い、背中へのカッピングも十分な効果を発揮します。

これらの施術を受けた患者さんは「背中に血流を感じる」とおっしゃいます。

逆に言えば、頚や背中が鉄板のような状態で、その中を自律神経が活動していたということになります。こうなると、神経システム自体が乱活動する可能性が高まります。

また、そのようなシステム的なお話以前に「硬い背中」はあたりまえに、不愉快です。