医療感を身につけられた患者さんが、いらっしゃる

身体へのヒント

患者さんの中には、例えば『癌サバイバー』のように、重篤な病気を経験され、治療し、あるいは治療の過程でいらっしゃる方がいる。その方の多くは、その過程で、その方の「病気感」「治療感」といったものを身につけられる。

例えば、脊柱管狭窄症を主訴として来院された患者さんであっても、病歴にそのようなものがあり、その過程で、治療行為に対する個性のようなものを、身につけられている場合がある。

同じ脊柱管狭窄症が主訴であっても、そのような背景がなく、つまり深刻に、病気と向き合い、何事かを感知された経験がない、という方もいらっしゃる。

両者の間には、その方の人間としての個性の差、ということで受け入れられる以上の、医療感覚の差があって、それに対する我々の自覚の有無、対応能力の有無が、施術の差となって現われるのではないか、と思う。そのことを、患者さんが意識しているとは限らないのだけど。

当たり前のことを言っているのだけど「個々の患者さんの特性だけに関わること」以上の一般化を私はできないので、これ以上のことが言えない。