オーストラリアで、鍼によるアレルギー対策の成果についてのレポートが発表されました。
以下抜粋。文責辻本。出展はこちら。
花粉やハウスダストに体が過敏に反応することで、アレルギー性鼻炎のくしゃみやかゆみの症状が現れます。対策にはアレルギー反応を抑える薬などがあります。オーストラリアで鍼の効果を調べた結果が報告されました。
◆鍼でアレルギー性鼻炎が改善するか
この研究は、オーストラリアのメルボルンで、よくアレルギー性鼻炎を起こすライ麦の花粉の季節に行われました。ライ麦花粉によるアレルギー性鼻炎と診断された人175人が対象となりました。
対象者は鍼施術の正しい方法で鍼を受けるグループと、鍼を打つ場所を変える偽の鍼施術を受けるグループに分けられました。4週間のうちに12回の鍼が行われ、その後にアレルギー性鼻炎の症状の重症度が比較されました。
◆くしゃみとかゆみが軽くなった
次の結果が得られました。
鍼は、偽鍼施術と比べて有意に、終了時の季節性アレルギー性鼻炎の症状の重症度を減少させ(くしゃみのスコア平均差-0.28、95%信頼区間-0.51から-0.05、耳と口蓋のかゆみの平均差-0.40、95%信頼区間-0.69から-0.11)、終了時とフォローアップ段階でのQoLを向上させることにおいて勝っていた。加えて、鍼は安全でよく忍容された。
正しい鍼を受けたグループのほうが、くしゃみ、耳と口蓋のかゆみが軽くなっていました。大きな事故等はありませんでした。
鍼はさまざまな場面で実際に使われ、病気に関係する痛みやアレルギーなどについて研究されています。アレルギー性鼻炎の対策の中でも、こうした結果を参考に、役に立ちうる場面が探られていくかもしれません。
◆参照文献
Acupuncture for seasonal allergic rhinitis: a randomized controlled trial.
Ann Allergy Asthma Immunol. 2015 Oct.