月経困難症を初め、子宮内膜症・子宮筋腫といった女性特有の病気の基礎に、『生理』があります。この問題は女性にとって避けがたいものでありますが、まだ語られていない側面もあるようです。
自宅にあったマガジンハウス社の雑誌『Hanako』 #1016を読んでいたところ、その p.92 に、
「現代女性の平均月経回数は、昔の6倍近くに達している」
という記事がありました。
「女性の自然な身体」というものを、どう考えるべきなのか、示唆に富むお話だと思えます。趣旨は以下のとおりです。
・(多くの戦前の女性は) 適齢期となると結婚・出産・子育てをしたので、1子あたり2年間ほど月経が止まる。このため20~30代の月経回数は、現代より格段に少なかった
・妊娠・出産も重労働だが、毎月排卵を繰り返すことによる子宮内膜の蓄積的ダメージは看過できないものがある
・仮に生涯一度も妊娠しないとすると、初潮から閉経までおよそ40年間、約480回の月経を経験し、そのたびに排卵による卵巣のダメージが発生する。このことで子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣腫瘍のリスクが高まる。PMS の悪影響も受ける
記事ではこのあと、低用量ピルを服用して月経・排卵をストップさせ、卵巣を休め、病気のリスク低減を勧めるのですが。
「自然の摂理である排卵をクスリで止めるなんて不自然…。そう躊躇する女性も多いが『そもそも排卵は妊娠、出産のために起こる現象。見方を変えると妊娠も出産もするつもりがないのに毎日排卵するほうが不自然』とも言える」と。
この記事には、1970年代に隆盛をみたウーマンリブ的な影響があるのかもしれません。広告とのタイアップの軽いエッセーではありますが、どう東洋医学的に位置づけていい意見なのだろうか、と考えてしいました。
現代女性にとって「身体の自然」とは何なのでしょうか?