観念的な話題で恐縮ですが、すべての治療とは、身体のやる気スイッチをオンにすること、だと思います。
これでは極論なので、言い方を変えると、他の治療を行うことはもちろん重要ですが、身体の自己治療スイッチをオンにしないと、いかなる治療も効果を出しえない、十分な効果を上げられない、のではないのか、と考えているのです。
これは偽薬(プラシーボ)効果とも絡む、複雑な議論でありますし、脳は、身体感覚をどう制御しているのか、という問題に行きついてしまいます。
臨床は、身体理論ではなく、具体的な治療方針ですから、この問題に深入りすることを避けたいのですが、身体理論は「人間の身体とは何か」という根本問題に関わることなので、まったく無視することも不可能です。ここが、西洋医学と東洋医学を別ける境界なのかもしれません。