今年の夏は、暑かった。
やっと、その山を越えた気がする。
蝉の声が、耳に馴染むようになってきた。
夜、暗くなるのが、早くなってきた。
夜中、家族が寝てから、こっそり出歩く。
鈴虫の声もかすかに聞こえる。
夜風はまだまだぬるいけど。
どうせ熱帯夜なら、熱帯魚が泳いでいたらいいのににゃー。
疲れたら、帰って寝る。
いつかのどこかを縦断する夢を見たりする。
にゃーと叫んで目が覚めることもある。
夢の中身はすぐに忘れてしまう。
眠れないまま、夜が明ける日もある。
また、散歩に出かける。
そんなときだって、僕らは「十分に寝たけれどまだねむいにゃー」って顔をして街を歩く。だって、悲壮な顔をして歩くのはカッコ悪いのにゃ。
朝方、川に行ってカモを追いかけてびっくりさせる。
飽きるまで遊んで、帰ったら、朝ご飯をたべよう。
回りながら、行ったり来たりしながら、遊びで、気まぐれに、真面目じゃないふりで、ワクワクすることを、やっていたいなぁ、と思う。
もう、誰にも後ろ指はさされないし。
天気だって、こんなに気まぐれなんだから。
