「性」と「死」と「何か」

エッセー

大学を卒業し駆け出し編集者のだったころ担当した本に、先日亡くなった川島なお美の『シャワーのあとで 恋の終わり愛の始まり』があったと書いたけど、ほぼ同時に曽野綾子の『戒老禄』の改版も担当していた。この本は曽野が50歳を前に、老いへの戒めを書き記したものだった。(私はある文章が気に入らず、変更指定を入れたら、それをみた編集長に「お前は何様だ」とひどく怒られたのを覚えている) あと五島勉『ノストラダムスの大予言 4』もやった。いやー学生から世に出て最初の担当が「性」と「死」と「何か」である。「作家のすべては処女作に集約される」というけれど、私の人生もこういうところに集約されるのだろうか。『株で一発億万長者』とか『女子大生と行く秘湯の旅』とかの担当だったら、違う人生だったのだろうか。
さて毎日、老人や病人に囲まれて生活していると、「死と病をどう受けとめるか」についていろいろ思う。