初春は不調の季節といわれます。実際、2月、3月、冬の寒さが緩みだし、梅や桜の開花がニュースになるころ、華やかな話題と逆に、体調不良を訴える方が増えてきます。
例えば「23時ころに目が覚めて、3時くらいまで眠れない(途中覚醒)」とか「お腹が張って、食欲がわかない」とか「身体が慢性的にだるくて、なにかをやる意欲がわかない」といった、体調不良を訴える方が増えてきます。
もともとこの季節は「アレルギー」の季節。このことはよく喧伝されますが、アレルギーのない人も、何かと不快を感じる季節であることに変わりはありません。
この季節、身体に何かが起こっているのでしょうか?
例えば3月のある日、気温が10℃になったとします。同じ10℃でありながら、真冬1月の10℃とは、身体に感じる感覚が異なります。
この差は何で起こるのでしょうか。
ひとつは、快適な季節(秋)から、不快な季節(冬)に移行するときの感覚の方が、不快な季節(冬)から快適な季節(春)へ移行するときよりも「身体感覚の変化が大きい」ことが原因なのではないでしょうか。「身体感覚の変化」が大きいと、身体により多くの負担をかけ、それが様々な不調の引き金を引きます。
さらには「春が近い」という頭が作り出した季節感と、身体の実際の感覚の間に乖離とか、違和感があり、それが不快な感情を生み出す、ということもあるでしょう。
「着る服に困る」季節は、身体の「自律神経も調整に困る」季節なのです。
このような季節環境の変化と、身体の対応能力の不和が引き出す、不調の解決は、東洋医学が得意とする分野です。