「成長したいけれど自分のままでいたい」
「子供のままでいたくないけれど“オトナ”にはなりたくない」
「こんなことを思ってしまうなんて、あの子と同じじゃないか」
「私はすごく意地悪なのかもしれない」
僕だって心はあるからさ、目の当たりにして、何事もなかったかのように眠りに落ちることが上手くできないや。
かけてあげたい言葉の10%も言えず、
伝えたいことの1%も伝えられず、
僕は、君が落ち込んだり複雑になってぐるぐる考えているのを、何も気が付かないふりをして、お腹をゴロンと出してみせる。
自分語りを始めるのも、カッコ悪いしなぁ。
ツルッとした顔をした若者たちも、目に見えない傷があって、どこか痛めてるのかもしれない。その傷の発端は、家族という神話だったり、ルッキズムだったり、能力主義だったり、ホルモンの乱高下だったり、二次性徴とか、色々。僕たちが見て見ぬふりをしてきたものも、多少は含まれてるんだろう。それだけで、僕たちがいがみ合いではなく助け合いをしなければならない理由になる。
眠りは、あの子のぐるぐるを、少しは救ってくれるだろうか。
せめて、寝苦しくない夜が、君の眠りを妨げなければいい。