僕たちは、いつも、未来をつかまえようとして、背伸びをする。
雨が上がれば、早く晴れないかなと思うし、
今日が終わる前に、明日のことを考えて、
お別れのときには、また会おうと手を振る。
未来は決してつかまってくれない。
そわそわして、わくわくして、どきどきする。
それでも、追いかけることをやめられない。
神様に手を合わせれば、お礼の前にお願いを言ってしまうし、
傷口に「早く良くなりますように」と、おまじないをして、
どこにあるのかもわからない「いつか」を胸に抱いて、ようやく眠りにつく。
きっといいことがあるよ。
そうじゃなければ、虫たちがこんなに楽しそうに歌っているはずがないんだ。