お別れはいつも不器用に、言葉足らずで、言い尽くせなくてタイミングを過って、泣き尽くしてもまだ足りない。でも、そのまま置いておいたら、それはお別れではない。
「ありがとう」と「ごめんね」が、深く手を結んでぐるぐると駆け巡る。
“君と一緒に行けなくてごめんね。約束を守れなくてごめんね。”
そう言うと君は、
“ ”
と言った。
僕はまた、せきを切ったように泣いた。
上手くできないことばかりだ。
君と約束を果たすこともできなかったし、お別れも上手くできないや。
君の手を握って、どこまでも行きたかったなぁ。海を越えて、自由に、どんなところにも君と行こうと思っていたんだ。
君がぼろぼろになったところに、絆創膏みたいにその街のステッカーを貼ってさ、青いボディが見えないくらいに。
その季節、僕は果たせなかった約束と、できなかったことと、昔の夢と、たくさんのものたちと、言えなかったことを言い尽くして、一つ一つ、握手してさよならしたんだ。
その度に、僕は少しずつ軽くなって、怨念が薄くなって、嗚咽も涙もちゃんと出るようになった。
縁切りのようなさよならや突然引き裂かれるようなさよならだけじゃなくて、ゆっくり手を離すようなさよならも、包み込まれるような温かいさよならも、あることを知った。
僕と君だけのことをこんな風にここに書くのは違うのかもしれない。
でも、僕がどんな風にお別れをしたのかを残しておいたら、誰かが何かとお別れする時、もしかしたら何か役に立つかもしれないと思ったんだ。
君がなんて言ったか、それだけは僕と君だけの秘密だ。


