2025/08/05 「災害級の暑さ」

占い

『君子危うきに近づかず』という諺がある。僕は君子でも何でもないけれど、考えを同じくするところだ。僕みたいな小さい生き物は、興味本位で走っている車に近づけば、簡単に轢き殺されてしまう。嫌なものは遠ざけ、怖いものからは逃げ回るのが、僕の常である。(だからと言って、患者さんのみんなには、僕が近づかないときに「嫌われた」とは考えないでほしい。僕にも「気分」というものがある。)

相当に暑いらしい。幸せなことに日中はエアコンのついた部屋で一日中過ごしている。そのため、この夏の暑さを正直よく知らない。

「夏」というものが、どんどんフィクションの中のものになっていく気がする。クーラーの効いた部屋で一日中過ごすこれは、本当に「夏」なのだろうか。でも、実際に熱中症で人が亡くなっている。室内仕事をする人と外仕事の人では、見えている世界が全く違うだろう。いつの間にか現実がSF映画のようになってしまった。SF映画の主人公のように「これは本当に“現実”なのか」と問いかける。
  
  
知らないからといって、関係がない訳ではない。
暑さは感情を振れさせる。特に怒りが膨張する。そして、冷却させる場所もない。
災害級とは、何を指すのだろう。「人が死ぬほどの」ということなのだろう。地震や津波のように。
僕には、これは戦争のように感じる。

なるべく、嫌なものは遠ざけて生きていきたい。
でも関係ないままではいられない。

願わくば、暑さそのものと人類との戦いであってほしい。暑さそのものではなく、暑さによって怒りを膨張させた人たち同士が戦うのは、敵を間違えていると思う。