Qどのような患者が多いのですか?
私どもは、美容鍼灸を行いませんし、婦人病や不妊を専門とするわけでもないのですが、9割以上が女性の患者さんです。
整形外科的疾患以外に、生理痛や不妊症、更年期障害など、内科的疾患を主務としているからかもしれません。
年齢的には、40代・50代が多く、次いで30代という感じです。
高齢の方は多くはありません。こちらは自由診療のみということが関係しているようです。
主婦の方と、お仕事をしていらっしゃる方が半々くらい。
以前に鍼灸院を開いていた大森とは違って、オフィスにお勤めの方が多いようです。長時間のストレスによる腰痛・頚肩部痛・冷え・自律神経失調症に罹られている方がめだちます。
Q施術時間はどれくらいですか?
初回は問診や検査が必要ですので、1時間半から2時間をご予定ください。
再診以降は、患者さんの病態によって施術時間は変わってきます。ご予定がある場合は、施術前の問診時にお話ください。通常30分から1時間程度かかります。施術時間の長さによる料金の違いはありません。
鍼灸は、患者さんの現在の身体の状態を、よい方向へ変化させること(よい体質にすること)を目的としています。鍼灸が不適切でない限り、施術直後から患者さんの身体の状態は大きく変化します。このため受療後は、その施術による身体の変化をなじませるために、運動や食事を採ることなく寝ていただくのが理想です。
Q何回通えばいいのですか? いつ治るのですか?
急な痛みなどの急性期の施術(「表治」といいます)は、3回をめどに。体質を変えることを目的とするような施術(「根治」といいます)は、10回をめどに。
この回数までに体の状態が好転しないようだと、現在の対策は患者さんに向いていない可能性が高いと思われます。
Qどのくらいの頻度で通えばいいのですか?
急性期の施術と慢性期の施術、患者さんの体力、施術中の季節など、間隔を一概に決めることはできないので、個別にご相談いただきたいのですが、目安としては、慢性期の体質改善施術は10日から2週間に1回、体調のメンテナンス目的では1ヶ月に1回が理想です。
急性期に関しては、必要なら朝と夜の1日2回とか、連続して3日とかの施術が効果的な場合があります。
「施術時間はどのくらいですか?」でご説明したように、施術療の本来的な目的は、身体の状態をよい方向に変化させることです。施術後の変化が長く維持されるのなら、間隔はそれに対応して空けていただくことが可能です。逆にすぐに戻ってしまう、といった場合でも1週間に4~5回程度が限界です。
中国で鍼灸を行っている国立北京中医薬大学病院では、鍼灸の入院を行っていて、患者さんは朝・昼・夜の3回鍼を行う、ということもあります。朝は吐き気・頭痛などの周辺症状の対策、昼は主病の腫瘍対策、夜は安眠のための対策というように、目的別に施術を行います。西洋医学の設備・スタッフも備え、24時間患者さんの体調管理が行える総合病院ですので、このようなスケジュールが組めるという面もあります。ちなみに日本人の入院患者さんもいらっしゃいました。
帯広の著名な鍼灸院、東方鍼灸院でも、近くに宿を取り一日に複数回施術を受けられる患者さんがいらっしゃいます。同鍼灸院の吉川正子先生は、大変細くて短い鍼、ときには鍼をまったく使わない施術を行われています。
とはいえ、時間的・経済的なことがありますので、現実的なスケジュールを立てて、施術に当たらせていただきます。
Q健康保険は使えますか?
申し訳ございませんが、自由診療のみとさせていただいております。
Q鍼は痛くないですか?
国家資格を持った鍼灸師なら、痛みのないように鍼を刺す技術は身につけています。ただ痛みに関しては2つ注意点があります。
ひとつは痛みには個人差があること。鍼刺激にすぐに慣れる人と、慣れるのに時間がかかる人がいる点です。すぐに慣れる人は鍼効果に即効性があり、慣れるのに時間がかかる人は翌日以降に効果が出てくる傾向があるようです。
もうひとつは、多少の痛みを伴うけれど効果の高い鍼施術がある、という点です。強い刺激を与えて急性の痛みを取る、といった場合などです。
パンに例えると奇妙に聞こえるかもしれませんが、柔らかくほんのり甘いパンを望む方が多いですが、それを求めるとそれなりに砂糖を加えなくてはならず、本来の小麦の味がなくなってしまいます。鍼を扱うのが下手で乱暴なのは論外ですが、痛みがないことを過度に求めると、失われるものも少なくはありません。
ただし、いずれにしろ、患者さんが不愉快な思いをする施術に、効果がないことは間違いありません。不愉快な思いをしながら、痛みに耐えることに意味はありません。そのような鍼に効果はありません。施術の前でも施術中でもいつでも、鍼の刺激について遠慮なく希望をおっしゃってください。
このテーマに関して、下記のブログに書かせていただいています。
Q鍼で感染することはないですか?
使い捨ての鍼を使用していますので、感染する危険性はありません。
Qお灸は熱くないのですか?
お灸の種類にもよりますが熱さは調節できます。鍼の痛みと同じで、患者さんが不愉快な思いをする施術は、効果がありません。いつでも、お灸の刺激について遠慮なく希望をおっしゃってください。
Qお灸の痕(あと)は残りませんか?
まれに残る場合がありますが1週間ほどでなくなります。
Q施術中に寝てしまってもいいのでしょうか?
気血の調整効果という意味では、起きていただいた方がよいといわれています。ただ、施術で気持ち良くなられ、寝てしまわれても、それはそれで体の不要な力が抜けていくわけですから効果があり、無理をしてまで起きておいていただく必要はないと思います。
Q施術後の注意点は?
施術を受けた日は、重労働、アルコール、風呂(シャワーは可)、徹夜、セックスは避けてください。施術効果を帳消しにしてしまいます。
とくに最初の施術のあとは、眠くなる、だるくなる、あるいは症状がかえって重くなるといった体の変化を経験することがあります。
鍼灸は、気を動かすことで体のひずみを調整するものですから、このような体の変化は施術の過程で起こるものとお考えください。今までの疲れが強いほど、その反動は強く出る傾向があります。過度に違和感がある場合は、至急ご連絡ください。
Q施術後は入浴しても大丈夫ですか?
鍼灸施術によって、皮膚表面の「気」が出入りする穴が開いた状態になります。施術後しばらくはこの穴が開き続けるので、ここを通って外部から病原が進入してくる危険性があります。従って、施術日は、入浴を避けていただいたくことをお勧めします。シャワーは問題ありません。
Q鍼灸の副作用はありますか?
個人差はありますが、まれにだるさが出る場合があります。過度に違和感がある場合は、至急ご連絡ください。
Q何か持ちものは必要ですか?
特に必要ありません。施術着をご用意しております。
Qどんな病気に効くのですか?
NIH(米国国立衛生研究所)は見解として、鍼灸療法の各種の病気に対する効果とその科学的根拠、西洋医学の代替医療として効果について有効であると発表しました。
また、WHO(世界保健機関)が鍼灸療法の有効性を認めた病気には、次のものがあります。
【神経系疾患】
◎神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
【運動器系疾患】
関節炎・◎リウマチ・◎頚肩腕症候群・◎頚椎捻挫後遺症・◎五十肩・腱鞘炎・◎腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
【循環器系疾患】
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ
【呼吸器系疾患】
気管支炎・喘息・風邪および予防
【消化器系疾患】
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
【代謝内分秘系疾患】
バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
【生殖、泌尿器系疾患】
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
【婦人科系疾患】
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊
【耳鼻咽喉科系疾患】
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎
【眼科系疾患】
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
【小児科疾患】
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善
* 上記疾患のうち「◎神経痛・◎リウマチ・◎頚肩腕症候群・◎頚椎捻挫後遺症・◎五十肩・◎腰痛」は、わが国においては、鍼灸の健康保険の適用が認められています。
** 公益社団法人 日本鍼灸師会ホームページを参考にしました
Q柔道整復師とは何が違うのですか?
柔道整復師は、伝統的に「ほねつぎ」「接骨師」として広く知らており、「接骨院」や「整骨院」という名前のついた施術所で施術を行っています。(名前に「骨」がつく場合が多いようです)
骨折・脱臼・捻挫といった外傷に対する処置と、そのリハビリが主な対象で、折れた骨を接ぐ、脱臼した関節を元に復す、包帯や副子固定を施す、ギプスなどで固定で硬くなった関節の機能を回復するなどを行います。
柔道整復師(国家資格)≠ 整体師、カイロプラクティック師(民間資格)
柔道整復師(国家資格)≠ あん摩・マッサージ・指圧師(国家資格)
という関係です。
Q整体師とかカイロプラクターとかとは、どのように違うのですか?
以下に 「公益社団法人日本鍼灸師会」の回答を転記します。
鍼灸の免許は(http://www.harikyu.or.jp/general/qual.html)をご覧頂けたらわかりますが、厚生労働省管轄の国家資格です。
よってその資格の取得には、国家が認めたカリキュラムを教育する学校を卒業し、さらに国家試験に合格せねばなりません。
整体やカイロなどは、そのような規定は全くなく、国家など公的機関からは一切認められていません。
したがって、彼らのいう資格とは、誰かが勝手に作った試験を受けただけで、さらに、劣悪なものになると、数週間の通信教育を受けただけで有資格者を名乗っている場合さえあります。
そんなものに統一された知識技術水準はまったく存在しません。つまり、無資格診療と言えます。
結果、当然のことながら、行政もそこで起こる問題には関与しません。
現在、「ツボ療法士」「足裏マッサージ」など、いろいろな名称や方法を標榜した無資格者による営業が行われています。
それらの無資格施術院での事故例なども頻発 し、社会問題となりつつあります。
また、「東洋医学」「ツボ療法」という文言を標榜する場合、東洋医学の教育をきちんと受け、施術できる資格は、鍼灸師(鍼灸)、医師、薬剤師(共に漢方薬)しか存在し得ません。
これら以外で有資格者、無資格者を問わず、東洋医学を学ばずに標榜している場合も数多く見受けられます。
日本鍼灸師会所属鍼灸師は、現在のところ、三年間以上、約三千時間以上に及ぶ鍼灸専門教育を受け、国家資格を持つ者しか入会出来ず、入会後は講習や研修を受け、 常に新たな知識の習得と技術の研鑽に励んでいます。
また賠償責任保険に加入し、も し万が一、院内で事故が起きたとしても患者さんへの補償をおこなうことも出来 ます。
無資格施術院にかかり事故に遭っても泣き寝入りになったり、示談交渉、また 裁判へ発展することも考えられます。
施術院にかかる前には問い合わせの上、正規の鍼灸有資格者にかかることをお勧めいたします。
ただし例外として、鍼灸やマッサージの国家資格を持ち、その後にさらに積み重ねて、施術の一環として、そういった方法をおこなう国家資格者はいます。